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2017/11/28

みなし残業って何?転職時の内定通知書の読み方を知ろう

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みなさんの給与体系のなかで『みなし残業』は入っていますか?実はあのみなし残業というものはなかなか曲者で、みなさんの正確な給料が分からなくなるという制度です。


それにしても、なぜ企業は最初から残業代を組み込むという制度を導入しているのでしょうか。そして、実はみなし残業とその周辺情報をいくつか確認することで会社の考え方をよみとることができるのです。


今回は、みなし残業について改めて確認し、ここから内定通知書をどう読み取るかをお話したいと思います。


【目次】

1.知っているようで知らないみなし残業



では、みなし残業という制度について改めて確認をしていきたいと思います



1-1.知っているようで知らないみなし残業

みなし残業という制度は、営業職やコンサルタントなど、労働時間=成果としてみなされない仕事に対して、一定分の残業時間を内包して給与を支払うという制度です。


労働基準法における給与の算出ロジックが時給換算となっているのですが、日本の労働者にはホワイトカラー、すなわち成果と労働時間がイコールにならない働き方に対して適用される賃金制度と言えます。



1-2.みなし残業をなぜ企業が導入するのか~賃金計算のトリック~



みなし残業を導入している背景は成果型の働き方に対応するためというのが理由ですが、もう1つ裏の理由があります。それは、賃金をある程度高く見せるためです。


例えば時給1200円換算でみなし残業30時間のついた給与を月額換算してみると以下のようになります。


◆8時間労働のベースとなる賃金
時給1200円×8時間×20日(1か月の労働事件)=19万円2000円

8時間以上の労働の場合、時給に1.25倍が換算されるため30時間のみなし残業を付けた場合以下の分がみなし残業代で加算されます。

◆みなし残業(30時間分)代の加算
1200×1.25×30=4万円5000円

すると、19万円2000円+4万円5000円で、 月給は23万円7000円となります。

ではこれを年収換算するとどうなるでしょうか。

◆年収換算
23万円7000円×12ヶ月+賞与4ヶ月分(みなし残業抜きの19万2000×4で換算) =361万2000円


つまり、バイトの時給並みの金額だとしてもそれなりの年収に見せることができます。また、これで月間30時間は強制残義させる大義名分もできるのです。


なかには基本給を下げて、みなし残業を45時間や50時間に設定する会社もあります。私が知っている限り、80時間のみなし残業という会社も知っています。かくいう私も昔にいた会社では70時間で設定されていたことがあります。


結構あこぎなやり方もできてしまうのが、みなし残業の注意点です。




1-3.残業代は払わないが普通



いくらみなし残業を設定していても、法律的な観点だと、残業を越えた時間分働いたらその越えた分は残業代を支払わなければならないとなっています。しかし、現実にはみなし残業時間に働いて越えた分を支払わない会社は数多くあります。

このあたりはまだまだ法律通りでないところがたくさんあります。転職先にみなし残業がある場合はそういうことがあるということを認識して下さい。



1-4.事業外みなし労働制という荒技がある



事業場外で労働する場合で労働時間の算定が困難な場合に、原則として所定労働時間労働したものとみなす制度が事業外みなし労働制と呼ばれるものです。
営業職だと直行直帰営業のホームオフィス制と呼ばれる外資系メーカー等で採用されるものがあります。


しかし、事業外みなし労働制は、以下のケースについてはこの制度を適用できません。


① 何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
② 無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら事業場外で労働している場合
③ 事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後、事業場に戻る場合

つまり、
・会社に戻らなければならない場合
・上司の指示を常に受けながらしごとをしている場合
・ずっと事業所の外で働いている管理職、またそれに準ずる人間と一緒に働いている場合


…といったケースでは適用できないのですが、中にはこの制度を悪用している会社もあるので、知っておきましょう。



1-5.まとめ


エージェント吉田

みなさんが思われている給料+残業代という一番わかりやすい立て付けの賃金体系は、営業職など労働時間と成果が一致しない就業体系においてはあまり使われていません。

みなし残業というルールを使って基本給を低めに設定している会社や、なかにはホームオフィス制に適用される給与制度を適用しているあこぎな会社もあります。
その点をまず認識してください。




2. 内定通知書をどう読み取ろう?



上記のような賃金制度があるということを最初に認識してもらうと、内定通知書からみえる会社の賃金に対する考え方が見えてきます。その点についてお話します。


なお、ここでいう内定通知書とは企業が「内定」であることを明示し、入社日や諸条件が記載されたものを指します。企業によっては「雇用通知書」や「オファーレター」などというタイトルで出されるものもあると思いますが、それも含め「内定通知書」だと理解して下さい。



2-1.内定通知書から読み取れること

内定通知書から見えることは、会社があなたを大事にしているかどうかです。それは上述の賃金の出し方や、どの制度を使うか、というところから読み取れます。


みなし残業のベースの金額があまりにも低かったり、事業外みなし残業の適用外の会社なのに、事業外みなし制をとったりするというのは、あなたに対して賃金を払いたくない、という意思表示に近いと考えても差し支えないでしょう。


2-2.時給換算をしてみましょう



まず、内定通知書を見て、最初に確認すべきは「時給」です。内定が出た会社の給与からあなたの時給を算出してください。


なお、算出ロジックは以下の通りです。なお、ここでは1日の労働時間を8時間、月の営業日数を20日、みなし残業30時間として計算します。そして時給を ⒳ と置きます。


⒳ × 8(時間)× 20(日)+ ⒳ × 1.25 × 30(時間)=月給
197.5 ⒳ =月給

ここで算出された ⒳ こそが真実の給与ということになります。



2-3.労働時間に関する管理の仕方を聞いておこう



ただし、みなし残業を敷いて、時給が安いからと言って、あなたを大切にしない企業かといえばそうとも言えません。もう1つみなし残業を敷くわけは、「人件費」を管理しやすいという側面もあります。


どういうことかというと、実際は残業を20時間程度しかしなかったとして、みなし残業を30時間に設定しておくと、支出は安定します。そうすると賃金の余計な波が発生しません。そういう風に考える会社もあります。


では、あこぎなみなし残業をする会社と経営管理上のためのみなし残業をする会社はどう違うのでしょうか。


結論から言えば、「早く帰る人はさっさと帰っています」というコメントをいえる会社かどうかです。みなさんも普通の感覚だと「今日は仕事終わらせて帰りたい」という日もあれば「今日はデートだから早く帰る」などとオンオフがあるはずです。


8時には強制退社をさせる、などといった会社も多くありますが、裏を返せば8時までいなければならないという暗黙の決まりと同じですし、そこまで強制的にやらされる仕事があるということです。そういう会社に在籍している人は8時以降もノートパソコンを持って帰り、仕事をするといったような状況になります。


しかし、「早く帰る人はさっさと帰っています」という言葉は、本人の裁量に合わせ、仕事が終わればいい、しかも適量の業務が自動的に付与されている状態ということになります。そういった会社でみなし残業を行った場合、自然に早く帰る人や頑張る日が自動コントロールされるということです。


時給換算は1つの目安なので重要です。しかし、実は「あなたの裁量で仕事ができる」、「みなし残業である程度給料を保証する」、そして「それは経営管理上必要である」というのが固まっている会社があなたを大事にする会社といえるでしょう。



2-4. あなたが転職して求める環境は何かを見直そう



今までみなし残業について、そして、あなたが働く上での環境についてお金という観点でお話をさせていただきました。


このお金や労働環境はあなたが働くうえで絶対に欠かすことのできない問題です。しかし、労働条件がいいだけでも長期で働くことはできません。一番重要なのは、あなたが仕事で何を成し遂げたいかです。


もちろん労働条件をしっかり見ていただきたいのですが、あなたが何を成し遂げたいか、といった「動機的」な部分も、決して忘れないでください。



2-5.まとめ


エージェント吉田

内定通知書には淡々と諸条件が書かれています。そして、その諸条件には会社の賃金に関する考え方が制度という形で反映されています。それを確認し、あなたに対する価値、会社が考えている人材に対する価値を考えましょう。

ただし、自分が読み取った事実が正しいのか確認しましょう。そして何より環境面をしっかり確認したら、転職をして何を成し遂げたいのか再度見直しましょう。



3.総括



いかがでしたでしょうか。


お金は人の本能をもっとも明確に出すものです。それは個人だけではありません。法人においても全く同じです。経営者は自分の会社の、もっといえば自分の懐に入るお金を考えた賃金制度になっている、または、少なくともあなたにとって不利な賃金体系をとっている会社があることも事実です。


そのため、賃金に関してどのような制度をとっているのかしっかり知っておきましょう。
そして、知ったうえで会社の実態を確認しておきましょう。


経済活動の本質はお金を稼ぐことです。それは労働者も同じことです。労働者がしっかりお金をもらうことができる会社で、あなたが会社に貢献しお金を作り、自己実現をできる環境をしっかり見つけましょう。


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